今、世の中がいろいろな意味で大きな問題を解決できずにいます。青蓮院では毎月護摩を修して、世の中が少しでも良くなるようにと祈祷しておりますが、それだけではなく、社会の様々な問題を解決出来るよう、具体的な行動をしていきたいと考えております。
仏教は基本的道徳の上に人の生き方を深く探求していく教えです。仏教の教えは、厳しい競争社会に悩み、傷つく人々の心の支えとなり、前向きに生きる喜びと希望を与えてくれます。今こそ宗教に無関心な多くの方々に、伝統仏教の立場から、具体的に、わかりやすく、仏教にふれる場を作り、救いや、心の安らぎの機会を開く活動をいたします。
国宝「青不動尊」は、青蓮院が長い年月をかけて、大切に守り伝えた秘仏です。しかし今、混迷するこの世の中においては、開かれた信仰の対象としておまつりし、広く、出来るだけ多くの方々のためにお勤めをさせていただくことが一番大切なことであると考えております。
そこで青蓮院では、「大護摩堂」を飛び地境内である東山の将軍塚に建立して、青不動をおまつりをする計画を進めております。
現在は防災上の理由から、やむなく複製を本院のお堂におまつりしていますが、本物の青不動をおまつりするための防火防犯上完全な構造の建造物を、ここ将軍塚に建立いたします。

境内地には大きな展望台が二カ所あり、京都全市街繁華街を眼下に見下ろすことができます。庭園には紅葉、桜、桃、サツキ、藤が咲き競い、四季折々の美しい自然の営みを感じることができます。
また、将軍塚は歴史的にも由緒ある地でもあります。
桓武天皇が平安京造営時にここに登られ都を定められ、都の鎮護のために将軍の像に鎧甲を塚に埋められました。この将軍塚は、国家の大事があると鳴動したという伝説が、「源平盛衰記」や「太平記」にも記されております。

将軍塚は広々とした、眺めの良い場所ですので、お堂だけでなく、道場や文化施設を併設した複合施設を建設し、音楽会や展覧会、講習会などが行えるようにしたいと思います。基となるのは仏教の教えですが、それを全面に出さない、社会活動の拠点としての施設を考えております。
天台宗は宗派の成り立ちからは貴族や天皇家が中心でしたが、次第に一般に開かれるとともに、浄土宗や浄土真宗、臨済宗などいろいろな宗派が天台宗から独立していきました。そのため、天台宗は日本の仏教の母山とも言われています。このように天台宗は割合おおらかで総合的な宗教ですので、色々な方にご協力いただき、世の中を良くしていくための幅広い活動の拠点にしたいと思います。

具体的には、法話や座禅止観の道場、武道館、汎く仏教文化を根底とする各種の講習会等の会場、京都市内を一望できる大規模な野外音楽堂、茶室、邦楽室、和文化館等の複合した施設を計画中です。
これらの施設を活用して、現代日本が忘れつつある心の安らぎと、自分の発見や救済が得られる道場を目指します。そしてこの日本を見直し、再生したいと願っております。
なお、この事業はご寄進により円成したいと考えております。募金を通じて、多くの方々に関心を御持ち頂き、ご賛同とご協力を得たいと考えております。
青蓮院には歴史的に檀家がなかったため、比較的自由に活動ができます。もちろん、格式ある天台宗の門跡寺院として、伝統も大切にいたしますが、仏教の教えを軸に、少しでも世の中がまともに明るく発展していくよう、活動いたします。
全てを宗教の教えで直ぐには解決することはできません。しかし様々な問題の解決に対し、道しるべは示せます。青不動の強いお力で、生き生きとした明日の日本社会を築けるよう、諸活動を実践してまいりたいと考えております。
護摩祈祷や説法、座禅や写経などの宗教活動はもちろんですが、悩みや迷いを持つ人々に対する相談活動が行えるよう、専門家のお力をお借りした活動も実施いたします。また、悩み相談にとどまらず、物事の問題を根本から解決出来るよう、専門研究や社会活動も実践したいと思います。
複合施設では、仏道にも通じる柔術や剣道・居合・空手などの日本武道の修養や、茶道・華道・書道・雅楽など、日本文化を体験し、理解を広め、継承を目指す活動も行います。
これらの活動をみなさまに広く知っていただき、多くの方にご賛同していただくために、このたび青不動尊のご開帳をいたします。この機会に、多くのみなさま方と広くご縁を結んでいきたいと念願しております。


