国宝「青不動尊」

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信仰としての青不動へ

国宝としての青不動へ

天台宗と密教

国宝 青不動尊 天台宗は、平安時代806年に最澄によって比叡山(一乗止観院、後の延暦寺)に開かれました。天台宗の密教は台密といわれ、空海が開いた真言宗は東密といわれています。天台宗でも密教は主要な柱の一つなのです。 選ばれたものに対してのみ秘儀が伝授されてきた密教において、宇宙の中で仏様がどのように並んでいるかを図式で現したものを「曼荼羅(まんだら)」といいますが、その曼荼羅の中心にいらっしゃるのが大日如来です。大日如来は宇宙のすべてをつかさどる中心的な存在ということです。 そして、その大日如来の化身が、不動明王なのです。

不動明王の存在〜大日如来の化身〜

不動明王の存在〜大日如来の化身〜 大日如来はあまりに崇高で直接には拝みにくいため、その化身の不動明王を拝むようになりました。不動明王は、日本では「お不動さん」の名で親しまれ、私たちにとって拝みやすく身近な存在であります。しかし、不動明王を拝むということは大日如来、つまり、宇宙の中心に向かって拝むということになります。これは自らが中心に溶け込み、宇宙と一体になるという思想にもとづくものです。

不動明王を拝むということ

不動明王を拝むということ曼荼羅では大日如来の周りにたくさんの仏さまがとりまいていますが、お釈迦さまはそのうちの一つの仏さまであり、中心ではありません。曼荼羅の構成は、お釈迦さまが悟りを開かれ、仏教の教えを説かれ、その弟子たちが体系化していったものです。
曼荼羅は仏様の世界、つまり仏様の宇宙観を現したものですが、その中心は大日如来であり、その化身が不動明王です。不動明王を拝み、自らが不動明王と一体となることは、宇宙の中で本当に自分がひとかけらの存在であることに気づくことであり、同時に大きな大日如来(仏さま)の力に生かされていることに気づくことでもあります。

青色の不動明王

青色の不動明王不動明王は、五色(青・黄・赤・白・黒)に配せられることがあり、赤不動、黄不動、目黒不動、目白不動などはその例です。その中で青色は、方位に配せられれば中央、五大に配せられると大日如来の三昧耶形(さんまやぎょう・仏を表す象徴物、仏さまの持物)である五輪塔婆(ごりんとうば・地水火風空の五大をそれぞれ方形・円形・三角形・半月形・宝珠形に石などでかたどり、順に積み上げた塔)である五輪塔婆の頂上の宝珠形となる様に、青不動は五色の不動明王の中では最上位にあり、中心にあります。

すなわち、青不動明王は「不動明王中の不動明王」という地位を占めております。


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