青蓮院ブログ

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6月護摩のお話

こんにちは。6月護摩です。大分暑くなってきました。7月、8月が大変ですが頑張ってお参りして下さい。
重要なお知らせ。
来年秋の青不動さまのご開帳のホームページを今日の護摩の日からオープンしました。 ご開帳は来年21年9月18日から12月20日までです。青蓮院でのご開帳は初めてですので、青不動さまのご開帳の全てが解るホームページにしました。ぜひ開いていただければありがたいです。来年のご開帳にはどうぞ皆さんお誘い合わせご参拝ください。ホームページはヤフーやグーグルで 青蓮院 と漢字で打ち込んでいただければでてきます。

今日は例の秋葉原の無差別殺傷事件のお話をしました。
私はあのニュースを聞いたとき、強烈なショックでした。本当に現実のことなのか。被害に遭われた方々の無念さ、ご家族の悲しみと怒り、お苦しみはいかばかりか。
言葉では表すことができません。

犯人には心の底からの懺悔と、被害者への謝罪をした上で、弁護を付けず、刑罰に服してもらいたい。
皆さんも、それぞれ色々な思いをお持ちになったと思います。

私が次に思ったことは、日本の社会は、どうしてこのようなことが起きるようになったのだろうか。ということでした。
おそらく犯人は誰にも相談することができない、非常に孤独な人だったのだと思います。
唯一パソコンが相手だったのでしょう。

最近の日本の社会は、今までも大きな変化の中にあったわけですが、その変化が加速してものすごい勢いとなっていると思います。この変化は止まることがなく、ますます激しさを増すと思います。

戦後の高度成長の時代は、終身雇用制度が社会の大きな仕組みにあり、多くの人はそのどれかの組織にしっかりと組み込まれていたと思います。この仕組みの中では人々は自由は無かった代わりに、それなりに自己と他者、自己と社会の関わりをわきまえ秩序が保たれていたと思います。今、派遣やニート等、多くの人が仕事や会社とのかかわりにおいて、ただ機械のように扱われ、時間とお金だけが基準となって、人間として充分に尊重されなくなっていることが、今回の事件の根底に横たわっているように思います。
それらの人々がどこにも相談できない恨みや、不満を抱え、爆発寸前にあるのではないでしょうか。
全く本質や次元は異なりますが、安保闘争のころであったら、政治運動となる事態だと思います。

我々だれしも、色々な悩みをかかえ苦しんでいることに変わりは無い。しかしながら犯人は自分の恨みや不満を解消するため、他人の生命を奪うという人間として越えてはいけない一線を越えました。
不満や恨みが社会に充満しても、たとえどんな人でもこの一線を越えてはならないのです。それが仏の教えです。
私は、犯人がもしお不動様をおがんでいたら、決してこのような手段で自分の不満や、恨みを表わさなかったと思います。少なくとも全くの孤独ではなかったと思います。手を合わせ拝む相手がいるのですから。
仏様に手を合わせて拝むことで、苦しみの中からでも、立ち直り、自分のもっているその人にしかない、掛け替えの無い力を生かす道を、知らされたことと思います。
私は多くの孤独なかたがたが、仏様への信仰をもっていただければ、どれほど救いを得ていただけるかと思います。
今、日本はまさに無宗教状態だと思います。
人様に迷惑をかけてはいけない。
食べ物を粗末にしてはいけない。

この言葉に替えて、
なんでも人のせいにする。
また日本は食糧の輸入大国であって、同時に残飯を捨てる量が世界一だそうです。

私はもっともっと頑張って仏教の教えを、現代社会に生きる人々の支えとなるよう、広めていかなければならないと痛感しました。
ご参拝の皆さんは、すでに良く理解されているわけですから、どうぞ皆さんの周りに声をお掛けくださって、一人でも多くの方を、この道場にお連れいただければありがたいです。そして信仰の輪を広げて行きたい。孤独な人に救いがもたらされますように。   門主 慈晃

カテゴリ: 門主のお話 | 2008年06月19日 | コメント(0) | No Trackbacks

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