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平成24年初護摩のお話し

平成24年の初満月護摩をお勤めしました。
 年が改まりましたが、世界の状況に変わりはなく、極めて厳しい状況が続いています。

 振り返れば昨年は最悪の年でした。
 東日本大震災、原発の事故、台風被害、タイの水害、ギリシャ、スペインに発するヨーロッパの金融不安。
ドルの信認の著しい低下、未曾有の円高。世界中が行き詰り、出口が見えない不気味さ。年が改まっても状況は全く変わらないばかりか、更に悪化すると予想する経営者が多く、心配が絶えません。

 さらに震災と原発事故からの復興には途方も無い年月を要すること、このような激変の年を少なくとも私は経験していません。

 しかも現在、政治に力がなく、党利党略の明け暮れ、真に日本の将来を見据えた長期的視野の欠如。

 特に円高に対する危機感の欠如は著しく、既に事態は当たり前のようになりつつあることが恐ろしい。

 タイの水害であれほどに日本の企業が海外に流出していることを思い知らされましたが、この円高で産業の空洞化は一層進むと思われます。近い将来日本の経済基盤は根底から揺らいでいくのでは。

 世界に対し、ただ従順にこの事態を受け入れる日本の政治家。

 一方で橋下さんが大阪市長戦の最中、既存の全ての政党が反橋下であったにも拘わらず、当選後は、「てのひら」を返して支持にまわる定見の無さ。日本の政党とはこんなにもお粗末なのか。

 終戦後の窮乏に近い危機的状況に、今の日本はあると思います。

 この事態から脱却するのは、政治家や政府まかせでなく、戦後の復興を果たしたあの凄まじい情熱と力を、国民が再び蘇らせる以外道はないと思います。

 それに加えることは青不動尊のお力をいただくことです。

 東山山頂に、旧武徳殿「平安道場」の木造大建築を移築再建し青不動大護摩堂を建立することは、単に建物の保存ではありません。
 その場から仏教の教えが現実の世に具体的なよりどころとなるよう発信の拠点として行くことが、本来の願いであります。

 多くの国民が脱原発の思いを共有しているだけで、なす術がないのではないでしょうか。
 日本の将来は党利党略や、政治家に任せておけない段階に来ているように思います。
 
 そして様々な利害を越えて活動できるのは、宗教界ではないかと考えるようになりました。

 将来そのような活動の拠点に、例えば、脱原発の国民運動の拠点に青不動大護摩堂が役割をはたしていければと思っています。

今日の初護摩。
 ご参拝の皆様の今年の願いを成就するため、しっかりとお勤めいたしました。

 今夜の京都の満月すばらしくきれいです。
                                        慈晃 拝
                                     

カテゴリ: 門主のお話 | 2012年01月09日 | コメント(2) | No Trackbacks

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