4月護摩のお話し
青蓮院のお庭の新緑のもみじが一際美しくなっています。
満月ごまにお参りありがとうございました。
4月4日から11日まで、比叡山に篭り、恒例の御修法に参勤してまいりました。
今年は普賢延命法といい、不老長寿を祈るものでした。
特に両陛下はじめ皇室の方々のご健康をお祈りいたしました。
青蓮院のご本尊を祀る熾盛光法も、4年に一度この御修法でお勤めすることになっています。
青蓮院では、毎年10月にこの法要を秋季大法要として、お勤めいたします。
昨日の新聞で皇后様が、お首の痛みが激しくご公務をとりやまれたとのことが報道されていました。
御修法でしっかりお勤めしましたのに、誠に残念です。
皇后さまが本当にお可哀想です。
お首が痛いのは原因が想像できます。
たまにお会いしたときに,、皇后様は人の話を本当に良く聞いて下さります。
お首を前に傾け、お身体もやや前のめりにされ、お身体全体で聞いていただき、お優しいお言葉をお掛けいただきます。
東日本大震災で被災者をお見舞いされているお姿や、方々のご訪問先での映像にも良くご覧になれるお姿だと思います。
また天皇陛下から常に一歩引いて控えめに付き添われ、こころもち前に屈まられていらっしゃいます。
さらに想像を絶するストレスをお受けになっていらっしゃると思います。
今回のお首の痛みは、そのうような内的、外的要因が重なったものと思います。
新聞には、「頚椎(けいつい)症性神経根症」という難しい病名がついておりました。
私は西洋医学はどうしても対症療法が中心と思います。
検査、検査と分析をして、治療となると、基本は薬です。
癌でも放射線、抗がん剤、外科手術。だけといっても過言ではないですね。
心は対象になっていません。
心をどうするかは精神医学の分野で、それも特別な病気のみが対象のようです。
我々は人間ですから、心と身体をもっていて、その複雑な相互作用によって生命の神秘な営みが成り立っていると思います。
皇后さまには、どのような治療をなさっているのか判りませんが、おそらく西洋医学の対症療法だと思います。
さらに、お首の痛みは心因性のストレスからきていると思うのです。 私はまず、お首を前に傾けられている、回数と時間の同量を、後ろに反らせる動作をなさったら良いと思います。
病は気からと昔の人は言い当てていました。
皇后さまの気苦労は並大抵のものではないと思います。
西洋医学では、総合的に捉えることをしないで、細分化し、分析して、薬で対処する。人間を機械の部品の集まりであるかのような考え方だと思います。
宗教は心を安楽にすることを目指しています。
つまり病気の原因になる、心にかかる重圧を取り除こうとします。
皇后さまのお側に行って、悩みを聞いて差し上げ、共に泣いたり苦しんで上げてお苦しみの重みを軽くして差し上げたい。
しかしながら、いくらそのようなことを思っても実現不可能ですが。
このことは我々も多かれ少なかれ、同じことだと思います。
周りの人に世話にならずに、健康で長寿であるために、心を安らかに保つために、
こうして毎月お参りいただくこと。お不動様のお力に委ねることが大きなお力になると思います。
西洋医学では理解し難いことですが、仏様に祈ること。お不動さまに祈ること。でストレスを和らげ自然に苦しみを感じなくすることが出来ると思います。
そこには、西洋医学にない、量り知れないものがあると思います。
カテゴリ: 門主のお話 | 2013年04月27日 | コメント(2) | No Trackbacks
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