青蓮院ブログ

トップ > 門主のブログ

初護摩のお話

初護摩のお話

平成23年の初護摩をお勤めしました。
今年の初満月ですが、残念ながら今日は雲が大分出てきて満月を見ることは一寸難しくなりました。

満月の護摩供、もう10年ほどになります。

満月は人間の「気」に大きな作用をもたらしていると考えられています。

満月の時の干潮満潮で太平洋の海水が十数メートル動くことは、月の力が、計り知れない海水の重さを動かしていることになり、我々は感じておりませんが、人間の体内の水分、血液、リンパ液等に及ぼす影響も極めて大きいのです。

そして脳の中の血液、リンパ液にも、大きな力が働いており、これらの影響は結局、人のやる気や、元気に大いに関係があると考えられます!

密教の経典に満月に行を修すれば、成就を得易いと説かれており、10年ほど前から青蓮院では満月に護摩を修してまいりました。

満月では、成就が得易いのですが、逆にくよくよしたり、自分はダメだとか思うと、その方にも強く導かれる危険性があります。

満月には、どうか前向きに、自分を向上させる気持ちを持って望んでいただきたいです。

皆さんの多くの方のお札の願意は、「心身健康」「家内安全」「商売繁盛」「病気平癒」「災厄消徐」等ですが。

我々は日々色々と思うわけですが、その思いを願いに高め、さらに行動に移すことが大切です。
その上でただ1〜2度願うのでなく、必ず行動に移すことです。

それも出来る限り、繰り返すことが必要です。繰り返し繰り返し、行うことが、成就に至る道です。

しかしながら、そこまででは単に自分の殻の範囲となり、なかなか成就につながらないのではないでしょうか。

思い、願い、繰り返し、そして行動するだけでなく、さらに自分より大きなもの、それはお不動様であり、宇宙を司る力ですが、それに自分をまかせる。委ねることです。

私はその先に成就があると思います。自分の力だけでは、限界があると思います。

この1年が皆さんにとって良い年となりますよう祈っております。

カテゴリ: 門主のお話 | 2011年01月20日 | コメント(3) | No Trackbacks

12月護摩のお話

12月護摩のお話

今年も残り少なくなって来ました。今日は納め護摩供を勤めました。
この1年色々なことがおありになったと思います。
楽しいこと、記念すべきこと、つらいこと、別れ、出会い、失敗、成功。でもあっという間に感じられます。
仏教では無常、常ならずです。一瞬一瞬があと戻りできない貴重な瞬間なんですが、結構無駄に時間を使ってしまいます。

最初に表彰をしました。毎月の護摩に欠かさず出席された皆勤賞の方。いままでの参拝が通算で30回を越えた方。通算で60回を越えた方。継続していくこと、良いことを繰り返していくことが大切です。

今年の漢字が「暑」にきまりました。
確かに今年の暑さは異常でした。
地球温暖化がじわじわと、或いは急速に進んでいるのでしょう。

もちろん暑かったのですが、私は今年を象徴する漢字としては、単純過ぎると思っています。

私は今年は「弱」だったと思います。

中国の尖閣諸島での漁船衝突事件への政府の弱腰。本来独立国として云うべき最低限の意志表明もせず、中国のご機嫌とりに終始。捕まえた船長を釈放。北方領土のロシアの大統領の訪問にも弱腰。

円高が過度に進んでも、アメリカに対してしっかり物が云えない。政治、経済、指導者の弱さ。

輸出産業は生き残りをかけて生産拠点の海外移転に拍車がかかり、企業は生き残れても、日本での日本人の雇用は減る一方では。
来春卒業予定の大学生の就職率は約60%との由。
この数字は実態を顕しているのか良く知らないが、受験や、塾通いで親も本人も時間とお金をかけ、やっと卒業したら就職口がない。このどうしようもない日本社会。もう終りに近いのでは。

それも原因を作ったのはアメリカのサブプライムローンを世界に売り撒くって、バブルが弾け、世界恐慌へ。その穴埋めのため、アメリカは自国の防衛に専念、低金利とドル安政策をとり円だけが標的になって円高。

アメリカへの警告の一つも口にしない、弱腰。

どれだけたくさんの日本人が迷惑を被っているのか、数字的な統計をとって欲しいが、私は最も憂慮すべきは、首相であれ、外務大臣であれ、経済閣僚であれ、経済界のトップであれ、少なくとも、その任にある人、その権力や影響力を行使できる人は、そのポストでやるべき仕事をしっかりとやって欲しいと思います。

「弱」。私は今年は、それぞれそのポストにいる人の力が、極めて「弱」だった年だと思います。

翻って私達もこの1年自分の置かれた立場、責任をしっかり果たしただろうか。と自問自答するとなかなか厳しいものを感じます。自分がどれだけ出来たか。大いに反省しなければ。

お不動様にお願いするのは、自分の力でやれることに最善を尽くし、これ以上不可能と思われるまでやった上で後は、お任せするものだと、私は思っています。

来年1月20日初満月には、1日4座お勤めします。
今ご予約を承っていますのでぜひご参拝下さい。
貴方の1年の計・・・? を
初護摩供にてお待ちしています。

カテゴリ: 門主のお話 | 2010年12月21日 | コメント(0) | No Trackbacks

11月護摩のお話

11月護摩のお話

 11月10日青蓮院でフジコ・ヘミングさんのピアノリサイタルが実現しました。
 色々なご縁が重なり、奉納演奏をしていただけました。本当にすばらしい演奏で夢がかないました。
11月25日の日経新聞文化面に詳しい記事が掲載予定ですので、ご覧いただければ幸いです。

 11月の満月護摩。雨の中にもかかわらず、遠近を問わず大勢のかたにお参りいただき有難うございました。

 尖閣諸島ビデオ流出の海上保安庁保安官のことについて、仏教ではどのように考えるのかをお話ししました。

 彼は国家公務員としての守秘義務を破ったことの罪をしっかり自覚された上で、それでも国民に実際の映像を見てもらい、それぞれが判断してもらいたいとの強い思いがあったと、今回のビデオ流出に至った気持ちを述べられています。

 ビデオ流出は、公務員としてはやってはいけないことでした。

 やってはいけないこと。
 仏教ではやってはいけないことを戒律といっています。これは僧侶が守るべき根本の戒めでありますが、在家の人々にも通じるものとして、その一部として一般にも「五戒」は良く知られています。

 実はこの戒律は戒と律に分かれています。戒は人間として守るべき人としての道であり、自らに科す掟です。一方、律は僧侶の世界、或いはその人の属するそれぞれの社会が秩序をもって成り立つための規則であります。そして規則を破ったものには、相応の罰則が伴います。

 海上保安官の公務員の守秘義務を破った行為は、仏教ではこの「律」に反することでした。
つまり「戒」、人間として犯してはいけないことを犯したのではなく、公務員としてのルール、社会としてのルールに反したのです。

 しかし表面上はルールに反していますが、はたしてビデオは守秘されるべき厳密な秘密として扱われていたか、そもそも事実を隠してまで、中国に過度に遠慮することを決定した政府のありようが問題である。等の意見が云われています。
 船長は無罪放免となり、表面的な罪とは云え、彼を罰することは国民の多くが認めないのではないかと思われます。
 菅さんの人気が急落しているのも頷けます。

 天台宗では伝教大師が、当時の奈良仏教の250戒を改めることが生涯の念願で、亡くなって一週間後に新しい戒が、円頓戒として公認されました。

 これは梵網経にある、十重四十八軽戒ですが、一般の我々には特に十重禁戒が根本の戒です。
 十重禁戒は表裏になる十重善戒でもあります。以下が十重善戒ですが、十重禁戒の中のお酒を飲んではいけない。がありません。これは┐里爐気椶辰討呂い韻覆い亡泙泙譴襪隼廚い泙后お酒も過度に飲むなということだと思います。

 十重善戒は。

/佑鮖Δ靴討呂い韻覆ぁ
⊃佑里發里鯏陲鵑任呂い韻覆ぁ
I堽僂鬚靴討呂い韻覆ぁ
け海鬚弔い討呂い韻覆ぁ
ュ採錣瓦箸魃召辰討呂い韻覆ぁ
Π口を云ってはいけない。
Э佑鯣韜遏中傷、あげつらってはいけない。
┐爐気椶辰討呂い韻覆ぁ
怒ってはいけない。
人のために尽くさなければいけない。

 私はこの中でも特に大切なものは、
け海鬚弔い討呂い韻覆ぁ
┐爐気椶辰討呂い韻覆ぁ
人にために尽くさなければいけない。

の三つだと思います。

 海上保安官は自分の職を失うことも有りうる覚悟で、日本中の人に解ってほしいとの思いだったと思います。
戒で云えばこの人にために尽くすこと、であったと思います。

 十善戒を日常の規範として守っていきましょう。


カテゴリ: 門主のお話 | 2010年11月22日 | コメント(0) | No Trackbacks

10月護摩のお話

10月護摩のお話

今日は暑い位の日になりました。たくさんの方にお参りいただきありがとうございます。
今年のように、夏が極めて暑く、もし11月がぐっと冷え込むと、紅葉は最高の美しさになると思います。
楽しみですね。

今日は フジコ・ヘミングさんのお話をしたいと思います。

 ご承知の方も多いと思いますが、フジコさんはベルリンでスウェーデン人の父親と、音楽留学されていた日本人の母親との間に生まれ、その後両親と日本に帰国したが、最初はうまく行っていたご夫婦の仲が離れ、結局父親は妻子を捨てて本国に帰ってしまう。
 母親はピアノ教師をしながら貧乏の中、彼女はピアノを母親から厳しく教えられて育つ。
 音大を卒業後ドイツへ留学を希望するが、母親がスウェーデン国籍の手続きを怠っていたため日本国籍もなく、難民救済措置でドイツ入国が許された。
 母親からの僅かな仕送りで極貧の中で卒業後、やっとバーンスタインに認められてウイーンでリサイタルを開催できることになったが、リサイタル1週間前に、貧乏なため、暖房もなく極寒の中で風邪をこじらせ中耳炎となり、日本にいた時、中耳炎で片耳の聴力を失っていたが、ここで他方の耳も完全に聞こえなくなるという突然の不幸にみまわれる。リサイタルは中止の已む無きに至り、失意と絶望の中、父親のいるスウェーデンに行くが、ここでも父親に見放され会うこともできず、孤独と貧乏と悲しみと闘いながらピアノを諦めず、ピアノ教師で生計をたてられてきた。
 1995年母親の死後日本に帰国、1999年にNHKでその数奇な生涯と豊かな才能が放送されて反響を呼び、初めてクラシックのCDで2百万枚を売り上げて、いささか遅いスタートであったが、一躍桧舞台登場となった。
 その後10年を経て人気は益々高く、感動を呼ぶ演奏に多くのフジコ ファンがいる。

 この度PHP研究所から出版された、『希望の力』子供達に贈る、勇気と希望のことば。フジコヘミング 
をいただきました。仏教に通じる良い言葉がたくさん書かれていましたので皆さんにお伝えしようと思います。

子供達に贈る、とありますが我々大人へのメッセージでもあると思いました。

その中からの引用です。

「挫折」
 不幸や悲劇は突然やって来るものね。
 ウイーンでのリサイタルが、あと一週間後に迫っていた日、暖房もない寒い部屋で暮らしていた私は風邪を
引き、それが原因で耳が聞こえなくなってしまった。・・・・中略・・・最高のチャンスを逃してしまい、毎日
泣いて過した。悪魔のせいだ。もう終りだと思った。・・・中略・・・私の人生はこの風邪のせいで狂って
しまった。あのリサイタルが成功していればと思う。誰にも不幸はあり、全部いいことばかりの人はいない。
だから大事なことは、失敗や不幸に負けず、どう乗り越えて行くかね。私の場合は、ただ正直にピアノを弾き続けてきた。
 人生には冷たい雨や強い風の日もある。試験に落ちる、病気になる、事故に遭う、家族が死ぬ、、、でも、
泣いても笑っても同じ一日なんだから、嫌なことはさっさと忘れて、明日に向かってもう一度立ち上がることよ。

 「努力していれば、チャンスはやって来る。だから、いつ来てもいいようにしておくことね。チャンス
  は人を選ぶの。夢ばかり見ていて努力しない人には、けっして、チャンスはやってこない。」

 「貧乏しても、卑屈になったり、人を羨んだりしてはだめね。心まで貧乏になってしまうから。」

 「失敗を恐れて、挑戦しない人は魅力がないわ。やってみなければわからないんだから。」

 「明日が幸せになるかどうかは、自分の努力しだい。あなたの幸せは、あなたの心の持ち方で決まります。」

 苦労に苦労を重ね、人からいじめられ、不幸な目にあってきた彼女ですが、世界中の貧しい子供達や、捨てられた動物達、弱いものを思う優しい人になって下さい。私はピアノで応援します。 とこの本の中に書かれています。
 過酷な境遇にあっても彼女は暖かい仏様の心をもち続けて来られたんですね。

 仏教で説いている「慈悲」。人のために自分の全てを捧げることですが、彼女の暖かい仏様の心が、演奏
となって人々に感動を呼ぶのだと思います。

カテゴリ: 門主のお話 | 2010年10月23日 | コメント(0) | No Trackbacks

9月護摩のお話

9月護摩のお話

大阪は竜巻、京都も明けがたは雨と雷。悪天候の中でも大勢の方にお参りいただきありがとうございました。護摩の頃から雨も上がり、夜は満月が雲間を泳いでいます。

先月に続き、正見(しょうけん)正しく見る。ことについてお話しします。

9月初旬に上海万博に行ってまいりました。

中国共産党の若手の力のある方のご縁で特別待遇で会場にも入れていただき、上海の三大仏教寺院を正式に訪問する機会も得て、日中親善に少しばかりご縁をいただきました。
上海の発展は目を見張るものでした。人口も19百万。経済発展からも、既に東京を凌駕しているなと思いました。
中国の国力がここまで上がっているのかと実感しました。
ただ中国の抱える大きな問題もその若手の共産党幹部の方から汲み取ることができました。

貧富の差の拡大。
貧困で底辺にいる巨大な人口。独裁的な政治を強行する中でその人々の不満をいかに鎮めていくか。
日本たたきはこの問題を解決するための政治主導で行われていることが窺われます。

帰国後、程なくして尖閣諸島の問題発生です。

尖閣諸島での、中国漁船衝突事件をめぐる中国の対応は温家宝首相が国連総会出席の中で、船長の即時無条件釈放を極めて強硬に求めました。温家宝首相が公然と衆目の中で表明したことで、後に引けない中国の強烈な主張です。船長の日本の裁判を認めれば、尖閣諸島は日本の領土であることを間接的に認めることになるからでしょう。日本が要求を拒否すれば「日本に強烈な対抗措置」をさらにとるとして脅しをかけています。

私は日本の戦後の歴史教育のありかたに常々問題ありと思っています。
それは、現、近代の歴史を深く教えていないことです。

歴史教育は石器時代、縄文、弥生からじっくりと始まり、最後の現、近代は殆ど省略です。
又現、近代については思想的なこだわりから、日本の国としての独立と自尊の意識に自虐的な歴史認識もあり、深い洞察を回避したり、タブー視してきたことにもよると思います。

私は歴史教育は、今を出発点にして、何故今があるのか?を、キイーワードに次第に過去へ遡って行く仕組みに全面的に改めるべきと思っています。

尖閣諸島の領有権について、多くの国民は日本の主張の根拠を知らないか、知らされていないと思います。

この問題を中国が公然と自国の領土だと主張している時に、国民に対しても、世界に対しても、とりあえず、責任ある立場の、外務大臣や総理大臣は日本としての根拠をしっかりと表明すべきと思います。

中国はこれだけの強硬姿勢をとるには、それなりの根拠をもった主張があります。そして日本の主張をもちろん当然知った上での今回の対応です。従って日本は、まずは日本人に、そして國際社会全体に日本の根拠を
自然な形で主張するのが極く普通のことでしょう。違いますか?

にも拘わらず何故明確に主張しないのか。
主張したら喧嘩は益々エスカレートするとでも?

中国は日本の主張を熟知した上で、さらに云えばその主張を排除できると考えているのでしょう。
日本が反論すれば、中国は恐らく真っ向から否定するでしょう。でも日本は、主張しなければ、知らない人には大国中国の主張が最もだととられてもいたしかたないでしょう。

中国は東シナ海の油田の権益の確保という国益のため、日本叩きの世論の恣意的な煽動と、親善のための全てのルートを遮断してきました。まさに國際信義に反することだと思います。ひょっとしたら中国は既にアメリカとグリップしているのかも知れませんよね。
また来年に迫る主席の交代への思惑であるとも云われています。

今一番悲しいことは、日中の政治の指導者の中に、お互いに個人的に親しく、心から信頼しあえる親密な関係にある人がほとんど誰もいないようなのです。

表面上対立する両国の難問でも、そのような人がいれば、歩み寄り、接点を見い出し、両国の共通の利害のため解決の糸口を作ることが可能なのですが。長い地道な活動が無かった証拠をまざまざと見せられている気がします。

正見。相手を正しく見る。相手の真意は何か。相手を知らないで交渉も戦いも出来ないと思います。

外務省がどの位、主要国と緊密な人的パイプと諜報活動を真剣にしているのか。国益を考えた活動をどれだけ
しているのでしょうか。今の事態はまさに何もしていなかったとしか云いようがありません。

前原外務大臣は私の選挙区です。できれば機会をいただいて、このことについてお話ししたいと思っています。

ご参拝の皆さんも、国のことにも少しは関心を持ちましょう。

そしてご自分の関わる諸問題も、正見。つまり深く実地に見て、常に相手を知り尽くす努力をしたいと思います。
相手を知れば知るほど、理解すればするほど、ものごとは真に求められ得る最善の道に導かれるのだと信じます。

仏教が説いていることです。

カテゴリ: 門主のお話 | 2010年09月23日 | コメント(2) | No Trackbacks

<<   2018年05月   >>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

青蓮院のご感想はこちら

カテゴリ別メニュー

最新記事

アーカイブ

検索

ページトップ