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8月護摩のお話

 今日は。暑い中よくお参りいただきありがとうございました。
昨日は16日、京都五山の送り火の行事が行われました。青蓮院では毎年東山山頂境内の将軍塚にて、お盆にあたり、先祖の精霊をお送りする回向法要と五山の送り火観賞の夕べを催しています。お盆で我が家へ戻られたご先祖を再び浄土へお見送りするのが16日に当たります。この日は特にご先祖や、亡くなられたご親族の、菩提を弔い、在りし日を偲び手を合わせていただいていると思います。同時にお盆は、今ご自分がここに在るということの幸せを感じ、亡くなられた方の分までご自身を大切に生きることを、しっかりと自分に言い聞かせていただく時だと思います。
 幸い夕立と雷雨もあがり、すばらしい五山の送り火でした。東山の大文字は真横からの位置になるため、残念ながら大には見えませんが、直ぐそばに火が感じられ、その他の妙法、船、左大文字、鳥居形は市内の夜間のきらめきと共にすばらしい景観となります。
 今年の夏は多くのことがありました。
 まず、8月4日、天台宗では、比叡山延暦寺にて、世界と日本の宗教者が集い毎年、「平和の祈り」の集いを催し世界に平和と諸宗教の協力を強く呼びかけています。
 今年の大会では、催しの中で広島の東照宮の大久保宮司さんの特別スピーチがありました。当時中学生だった宮司さんの生の原爆のご体験を交えた感動的なスピーチでした。8月6日原爆が投下された日、幸い宮司さんは広島から離れた場所に動員されていて直接の被爆を免れ、翌日神社に戻ったそうですが、既に神社は全壊、ご両親はお顔が溶けてただれ落ちておられ、境内には水を求める人々がうずくまる状況でした。原爆の被害について、直下の温度は鉄の溶解する1500度の何倍となるなど、数字を次々にあげられて語られました。その後は黒い雨が降り注いだそうです。原爆の悲惨さは、大量殺戮、無差別、放射能被害の3つであると話されました。
 中学生の大久保さんが、その時強く感じられたことはこのようなことが決して、絶対に繰り返されてはならない。そしてそれを強く語り伝えて行かなくては と思われ、実行されてきたとのお話でした。
 人類はそれぞれの国の自国の利益を最優先にして、戦争を繰り返してきました。これだけ世界中が問題にしている地球温暖化の問題でも、最大の温室効果ガスの大量発生国のアメリカと中国が、互いに相手がテーブルにのるまでは、話し合いに応じない態度を貫いています。この救いがたい不完全な人間そのものに絶望的にならざるを得ません。人類の遠い将来、水爆が飛び交って終わりを告げることにならないように、大久保宮司さんのお気持ちを大切にして、被爆国の日本は世界に核の恐怖を伝えていかなければならないと強く思いました。このことをぜひ皆さんにお伝えしたかった。
 オリンピックと高校野球がまさに白熱しています。
 そして数々の感動とドラマを与えてくれています。
 その中でいままでのところで、一番印象に残ったこととを、お話しました。
 柔道の谷本歩実さんの金メダルです。彼女はアテネの金メダルが終わった後、すっかり燃え尽き症候群となってしまったそうです。それを妹さんが献身的にささえ、励まして次第に次の目標に向かって立ち直っていったそうです。バタフライの松田丈志さんもコーチが文字通り一体となって、松田さんのために尽くしました。試合後のインタビューで松田さんは、まず最初にコーチにメダルをかけてあげますと云いました。
 北島選手の後ろにも平井コーチがいて、北島選手の幼少の頃から、まさに全身全霊を傾けて北島さんの成長のために尽くしました。
 金メダルをとる本人の努力と恵まれた才能、力、は本当にすばらしいと思います。暗いニュースの多い中で心から感動を私達に与えてくれました。
 私はそれと同じように、本人をささえる、コーチ、家族、支援者、がすばらしいと思いました。
 どうか皆さん、それぞれのお立場で金メダルを目指して下さい。そしてそうでなければ、金メダルをとる人をしっかりささえる人になって下さい。どちらかを目指そうではありませんか。
 柔道のやわらちゃんと、塚田選手のことも大変印象に残りました。
 二人とも金メダル間違いなかったと思います。どんなにか、悔しいことかと思います。
 多分悔やみきれないのではないかと思います。
 塚田選手の場合、あと8秒我慢すれば良かったのですから。一瞬のすきをつかれました。
 我々にも違いはあっても、あの時ああーすればと思うことが、幾つもあります。その瞬間には良いと思って判断したことが、結果的には一瞬のすきをつかれた形で失敗をしていた。
 私はこの試合を見ていて、一瞬のすきをつくらないことは、もう人間の段階を超えていると思いました。
つまり最善の努力の積み重ね、百戦の経験を経ていても一瞬のすきに乗じられたからです。
 それは人間を超えた、神仏の世界だと思います。
 
 つまり一瞬のすきに乗ぜられない力をいただけるのは、神仏だと思うのです。8秒を我慢せよとの神仏の声が聞こえるのが信仰だと思います。
 私は神仏はどの神仏でもよいと思いますが、私にとっては青蓮院のお不動さんです。
 
 私はお二人が、神仏を、中でも青蓮院のお不動さんを深く信仰されていれば、一瞬のすきをつかれないですんだのではないかと思うのです。

 以上長くなりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。
 
 どうぞ、9月の護摩にご参拝お待ちしています。
              門主 慈晃 拝 

カテゴリ: 門主のお話 | 2008年08月17日 | No Trackbacks

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