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初護摩のお話し

 京都地方、今宵はすばらしい初満月です。

 遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
平成25年に入り今日は初満月の初護摩をお勤めいたしました。

 今日は特別寒い日となりましたが、全国から多数のお参りをいただきありがたく
厚く御礼申し上げます。

 東山山頂の飛び地境内の将軍塚大護摩堂建立事業はいよいよ今年度着工します。
まだ行政の最終承認等、懸案事項を残していますが、来年、平成26年9月落慶法要、
、その後引き続き、青不動ご開帳を3ヶ月予定しております。

 大正天皇ご大典記念に建てられた旧大日本武徳会の京都支部道場(京都府有財産)が取り壊されるのを知り、木造の大建築(奈良の大仏殿の横幅半分の大きさ)で貴重な日本の文化財であり、日本武道の中心道場でもあった、すなわち日本の精神を具現化する象徴でもあった建物をなんとしても保存し、後世に伝えて行きたいとの思いからこの建物を引き受け、移築再建して保存する決断をいたしました。

 総事業費7億円に対し3億円が不足することが当初から見込まれました。
私はこの建物を捨ててしまうことは、日本の精神を捨てることだと思いました。
特に古都、京都が絶対にやってはいけないことだと思いました。

 私は、この不足額3億円をなんとかご寄進していただこうと考え、全国にご縁をたどり
お願いの行脚をしております。

 今現在まだ満額には至っておりませんが、多くの皆様からご賛同賜り厚く御礼申し上げます。
引き続きご支援のご縁をいただきたくお願いいたします。

 さて既にこのブログでお話ししております、青不動復元模写のご寄進ですが、重ね重ねのお願い
で恐縮しておりましたが、目標の200口を越えるご協力を得ることができました。
本当にありがとうございました。
このブログを通じてのご協力もありました。ありがたく厚く御礼申し上げます。

 完成は2年後の大護摩堂落慶に間に合う予定ですので、その折は本物の青不動様と共に
ご開帳させていただきます。
 完成が本当に楽しみです。どうぞご期待いただきたいと思います。

 天台宗では、昨年4月より祖師先徳讃仰(讃は金偏を使っていますが)大法会を10年間かけて
お勤めします。
 
 この10年の間に、伝教大師の1200年御遠忌、慈覚大師の1150年御遠忌、相応和尚の1100年御遠忌、恵心僧都の1000年御遠忌を迎えるため、それらの先徳の徳を讃えるお勤めとなります。

 今年の1月15日は慈覚大師の1150年のご命日にあたります。

 慈覚大師は青蓮院とは極めて深い関係があります。
青蓮院のご本尊の熾盛光如来は慈覚大師が唐からもたらされ、比叡山上にまつり、国の安泰、皇室の安寧を祈願した仏様です。

 また今日お勤めしている、お不動様をまつりご本尊をまつる密教のご祈祷について、天台宗ではこの慈覚大師から体制が整いました。

 その意味で今日の初護摩は、慈覚大師のご縁日に因んだお勤めでもあり、重い意味がございます。

 天台宗ではこの10年のお勤めをすすめるスローガンを「道心」と定めました。

 道心とは、道を究める心、すなわち悟りへの道をめざす心でありますが、凡人の我々にはそれぞれ置かれたその人その人の力量を最大限に発揮して、周囲の人に力の限り尽くすことであります。

 伝教大師は、山家学生式という、決意表明の中で、この道心を説いていらっしゃいます。
国の宝は道心である。国の宝はお金ではない。道心を行う「人」が国の宝である。

 その「道心」を行う人を育てることが、一番大切なことである。 と 説かれました。

 「道心」はまた、自分のためより人のために尽くすことである。 と説かれました。

 今日皆さんはこの1年の大きな目標を持ち、祈願にいらっしゃています。
そこで今日の思いの中で、ご自身のためと同時に周囲の人のために出来る限り尽くすことを、
是非とも思いの中に加えていただきたい。

 いつも自分のことを考えてくれているあの人がいてくれる幸せ。
その様にあなたが幸せなら、他の人のことを考えて上げる人なりましょう。

 いつも自分のことを考えてくれる人がいなければ、
いなくても、他の人のことを考えて上げる人になりましょう。

 貴方がいてくれて幸せだと感じてくれる人が1人でもいる人になりましょう。 とも説かれています。

今日の初護摩のご祈祷では、
今年1年が、貴方にとり、幸多き充実した年となりますよう心から祈願いたしました。

慈晃拝。

カテゴリ: 門主のお話 | 2013年01月27日 | No Trackbacks

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