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10月護摩のお話

今日は。秋晴れ快晴のすがすがしい日になりました。今夜の十五夜はすばらしい満月だと思います。
ぜひ皆さん今夜は満月に向かって思いを込めて下さい。

12日には青蓮院では秋のご本尊熾盛光如来の大法要をお勤めしました。ご本尊のご利益は天変地異の鎮静、国家の繁栄安泰、皇室の安寧の三つですが、特に12日の法要では国家の繁栄に関して、目下世界を揺るがしている世界金融恐慌の早期鎮静化を強く祈願しました。現在ようやく底を打ちつつありますが、まだまだ油断は禁物だと思います。

私は今年の1月の初護摩のお話の中で今年は極めて厳しい年となることを申し上げました。
景気は悪くなり仕事が無くなり、給料は上がらず、物価は上がる。ご商売や企業にとっては身辺整理をして危機に備える必要を説きました。日本はバブルの教訓から各金融機関がリスクの高い投資に慎重であったためもあり、昨年8月の危機表面化後も、比較的直接的な損害を受けていないため危機意識が低かったと思います。

目下アメリカ、欧州の金融機関の破綻が実態経済にも深刻な影響を及ぼし始めており経済が極度に縮小していく可能性があります。経済は日本だけ単独ではありません。
いまや世界中が密接にからまりあって、しかも極めて早く影響を及ぼし合っています。
このようなとき我々はどのように対処したら良いでしょうか。
それはお不動様を信じ、大きな嵐が通り過ぎるのを、身を低くしてじっと耐え偲ぶしかないと思います。
無用な手出しや、動きは災いのもとだと思います。
しかも嵐が静まって穏やかな日々を迎えるには、今回は相当長い年月を必要とすると思います。
お仕事に直接関係のない方でも、多かれ少なかれこの巨大な波に影響を受けざるを得ません。
ひとごとでなくご自身に降りかかる予想されることに対処しましょう。

話は変わりますが、数日前に、平山郁夫先生の昨年9月喜寿を迎えられた時の祈念の展覧会が東京と広島で行われ、その折の図録をある方から頂きました。
その中に「広島生変図」がありました。これは画伯が広島で当時中学生の時、尾道市のご実家から広島に動員されていた時、被爆された体験をもとに描かれたものです。
画伯は爆心地から3キロの地点で被爆されまさに原爆の破壊のずべてを体験されて、ご自身も放射能の後遺症にお苦しみです。戦後30年を経て、昭和54年に初めて広島に関して筆をお取りになることができたとのことです。その絵の右上には青蓮院の青不動明王をイメージしたお不動様を描かれました。2003年の正月に8時間程かけたNHKの放送で国宝百選という番組が放映されました。
これは日本の国宝約1600点から100点をを選び、平山先生が解説されたものです。
100選の中に青蓮院の青不動も入った訳ですが、その折の先生の解説でこの広島生変図の不動明王は青蓮院の青不動であるとのお話がありました。

先生は恐らくあの広島の惨状に、筆舌に尽くせない恐れと怒りを感じられていたと思いました。
不動明王は我々の煩悩を焼き尽くすお力があり、煩悩の代表的なものが、怒りですから先生の広島生変図の一面を埋め尽くす真っ赤な炎の渦中に描かれた不動明王に、先生ご自身の心の底の怒りを焼き尽くして欲しいとのすさまじい絵なのだと、私には思えました。

そして不動明王は我々の心の煩悩を焼き尽くし大きな慈悲をもって我々を救っていただけます。
先生は怒りを焼きつくし、さらに一面の炎の中に命を落とされた人々へ不動明王の救いがありますように
願われたのだと思います。先生の今までのお仕事の中でこれほどに強い先生の心の底からの叫びがほとばしる絵は他には無いと解説に書かれていました。
私は先生のお心を感じるとともに、青蓮院の青不動様のお力を改めて強く感じました。
図録の中で先生は満月の絵もたくさん書かれています。

青蓮院では満月に護摩供を厳修していますが、先生が多くの満月の絵をお描きになっていることも
私は先生に強くひかれるものを感じました。

皆さん、今夜満月を感じてそれぞれの思いをを込めていただきたいと思います。
不動明王の慈悲は、己れ以外のものに出来る限り尽くしていくことです。
ご自身の諸願を念じるとともに、「他」を慈しみ「他」を利することに。
あなたの心にゆとりがもたらされますように。  門主 慈晃 拝。

カテゴリ: 門主のお話 | 2008年10月15日 | No Trackbacks

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