青蓮院ブログ

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12月護摩のお話

平成23年の納め護摩をお勤めしました。

今夜は皆既月食です。9時45分から始まり午前1時18分に終ります。23時31分がピーク
となります。
月食。現在半分ほどですが、かなり冷え込んできた初冬の空に少し不気味な姿に見えました。

今年は最悪のことが続き過ぎました。天変地異の大変異、締めくくりが皆既月食とは。
大きな宇宙の営みのうねりが変調を示しているのでしょうか。

東日本大震災 大津波に原発事故。放射能除染と事故の完全収束までは長い茨の道が。
和歌山の水害、タイの洪水。

そればかりか、ギリシャ、スペイン、から始まったユーロ圏の金融経済不安。
この事態にも拘わらず、イギリスやドイツの思惑から、一致団結した解決に至らない
もどかしさ。

円高は依然、高値止まりのまま。政府や日銀の無力さをつくづく感じます。

私は、日銀券を大規模に増刷して、そのお金を震災の復興にあてるのが
一番良いと思うのですが。
円の価値が低下して、円安にもなり、市中のお金の循環がよくなり景気浮揚と
税収の復活、ゆるやかなインフレ。
これこそベストの選択だと思うのですが。
とにかく縮小、削減、撤退、解雇、防戦、守り、いやな言葉です。

日銀券の大増刷。どうしてやらないのか。不思議でしょうがないのですが。

良い事の少ない今年でした。

昨日やっと第三次補正予算と、復興財源確保法、復興庁創設法 が国会で可決
ようやく本格的な復興へスタートはしましたが、なんと遅かったことか。

震災後9ヶ月を要しました。
関東大震災後には、後藤新平が1ヶ月で多くの反対を押し切って復興院を立ち上げ
即刻対応したことと較べ、あまりにも遅く驚きと怒り(煩悩の1つですが)
と情けなさでいっぱいです。このもどかしさで狂いそうです。
政党政治の限界を感じます。

被災された方々の空しさ、怒り、は極限だと思うのですが、もっとその声を大きく
しませんか。

天変地異を鎮めるご本尊熾盛光如来、その化身の青不動明王。日々一生懸命にお祈り
しています。今日は特に強くお護摩をお勤めしたいと思います。

われわれ、置かれた立場はそれぞれ別々。思い、願い、悩み、も千差万別でしょう。
しかし多くの方が大小様々などうしようもないことを、抱えていらっしゃると思います。

ご自身のお身体のこと、ご家族の介護のこと、会社の経営のこと、孤独や寂しさ。
原発事故で避難を余儀なくされている方。
ご自身の努力で如何ともし難いことをお持ちだと思います。

このような時、これはまさに今の日本の現実だと思いますが、私はこの事態の中では、
やるべき努力をとことんやり尽くした上で、それでもどうしようもない現実に対して、最後はお不動様へお任せする、その無限のお力に委ねることしかないと感じています。


このような難しい時になってしまいましたが
来年1月9日の初護摩供のご案内に、東山山頂、将軍塚大護摩堂建立の建立資金の一部へのご寄進 お願い書を同封しております。

どうかご協力のほどよろしくお願いいたします。

良いことの無かった今年も暮れようとしております。
このような難しい時、お不動様をしっかりお祀りし、お力を頂き、なんとか
年を越せることに感謝いたしましょう。

良いお年を。

月食が進み、ほぼ皆既状態です。全体に赤くにじんではいますが。
 
お休みなさい。

カテゴリ: 門主のお話 | 2011年12月10日 | コメント(1) | No Trackbacks

11月護摩のお話

11月護摩。今日の京都地方、雨があがりすばらしい満月です。

これを書くにあたり、10月護摩の話を読み返しました。

世の中の深刻な事態。
その事態はさらにイタリアの危機とTPPが加わり一層の深刻さを増したように思います。
ぜひ10月の話を読み直していただけますか。
私の切実な思いですので。

 TPPの問題は日本の農業の根本問題です。補助金、補助金といった、いままでの政治姿勢から脱却しなければ真の日本の農業の再生は不可能だと思います。
 又、ただ反対、賛成という単純な主張の衝突は、減反政策にあったような保護や補助金の悪循環つまり局所療法につながるのではないかと、懸念します。

 昨日、稲盛京セラ財団の「京都賞」の授賞式と晩餐会にお招きを受け参列しました。

 今年は、アメリカ人のジョン・ワーナー・カーン博士のアロイ材料工学への多大な貢献。
ロシア人のラシッド・アリエヴィッチ・スニヤエフ博士の宇宙背景放射揺らぎ理論と高エネルギー天文学への多大な貢献。
坂東玉三郎氏の歌舞伎を中心にした舞台芸術の諸ジャンルを越えて華麗な美の創造者、
の3名の方がそれぞれ賞金5千万円を授賞されました。

 「京都賞」の理念は、稲盛理事長の「人のため、世のために役立つことをなすことが、人間として最高の行為である」とのお考えに基ずき、国内外の科学と芸術に著しく貢献した人々に贈られている賞です。
 その理念は天台宗の開祖、最澄が説かれた、己を忘れて他を利することこそ、人の目指す道であるとの教えと全く同一であります。
 この教えが尊いことであると同時に、如何に実現が難しいか、日々わが身を顧みて反省するところでありますが、稲盛理事長の27年に及び80名を越える方へ贈り続けられていることにあらためて感動と畏敬の念を痛感いたしました。

 坂東玉三郎氏の授賞後のスピーチでの次の言葉が非常に印象に残りました。
 氏はご承知のように、歌舞伎界以外の出身にて幼少の頃から先代の師匠に弟子入りして弛まぬ精進の結果、五代目を襲名されましたが、師匠の日々の教えの中で一番大切にしていることは
 「舞台に立って観客に良く見せようとするな。その役柄に徹底的になりきることだけを考えよ。」
 と云われ、それを実践してきたと語られました。

 
 すばらしい師匠の教えだと思います。
 またその事を謙虚に話された氏の姿勢に心を打たれました。
 
 自分のなすべきことの一番重要なことに真剣に、一心に邁進すること。いやしくも人の評価を受けるためや、何かの利益のためにすることがあってはならない。ということだと思います。

 改めて今日以降、真剣に護摩のご祈祷をお勤めしなければと思います。

カテゴリ: 門主のお話 | 2011年11月11日 | コメント(1) | No Trackbacks

10月護摩のお話

10月護摩。今日の京都地方すばらしい満月です。

月は我々が悠久の宇宙空間に思いを馳せる時に、我々にとって一番身近な存在でしょう。

月を見ていると、人間の営みの小ささを痛切に感じます。

人間の営みの小さく、しかも泥沼のような厳しいこの事態を超越できるもの、それは月であり、宇宙であり、そして仏様、宗教の世界だと思います。

今の日本、そして世界中が異常なほどの悪材料のめじろ押しです。

東日本大震災、原発、そして円高。ギリシャの財政破綻、世界的金融不安。株安。挙げれば切が無い。

良い事は一つも無いと云っても云い過ぎではないと思います。

忍耐強い日本人は文句を爆発させない。そして無能な政府は未曾有の円高に対し世界に向かって文句を云わない。
あるいは適切な対抗策を講じない。
政府は震災の復興は増税により今の世代で負担するとの優等生。
いかにもカッコいいが、その結果は目先の健全性からさらに円高の加速。結果として経済は逼塞して経済成長は急速に減退、企業は赤字、倒産、失業者の増大。つまり企業、個人共に収入の著しい減少。従って経常の税収の激減。日本の財政は破綻。というシナリオを予測する経済学者が多い。

千年に一度の災害であれば、今は借金で賄っておいて、千年掛けて返済すれば良いと私は思います。
どうしてこんな簡単な理屈が分からないのでしょうか。

円高、増税によって国力は益々減退。日本の行く末が本当に心配です。

最近親しい国際的に活躍している公認会計士で経営コンサルタントのある方に電話をしたところ
丁度仕事で日本にいるからお会いできるが、住所をスエーデンに移したとのこと。何故ですかと聞いたら、
今、先を考えている人、あるいは日本に居た主要な外国人は皆、日本から脱出していて当たり前のことだとのこと。

東日本大震災で東北地方全体は50センチ全体に移動した。その歪の是正がされていない。

東南海地震等予想されている地震の発生が非常に近くなっているとの判断から、中部、関西の原発の地震による被害を想定、危機的な危険状況にあるとの認識で避難しているとのこと。

彼はお金があり、決断力のある人なので誰でも真似のできる話ではないのですが、今、日本が置かれている不安を改めて実感しました。

青蓮院では東山山頂の将軍塚に大護摩堂を建立する計画を進めています。
この計画を既に10年以上前から取り組んでいたところ、3年前に、京都府所有であった戦前の大日本武徳会の京都支部道場「平安道場」を解体破棄することを憂えた運動が行き詰まっていることを知り、非常に貴重な木造の大建築であることから、何とか保存しようと、青蓮院で移築保存し青蓮院のお堂として再利用しようと決心しました。
古い歴史的な価値あるものをしっかり保存して行ってこそ、京都の価値を日本中の、あるいは世界の人に認めていただけるのではないかと、私は確信しています。

しかし乍、移築には想像を越える予算が必要で、青蓮院の力だけでは難しいため、現在多くの方々に寄進のご協力をお願いしております。特に日本の100法人あるいは100人の方に特に纏まった金額のご協力をお願いに回っています。

この計画は東日本大震災前からの長年進めているものであり、震災があったからといって止める訳にはいかない事情
がありました。

最近、京都でも有名なある会社の会長さんをお訪ねして、寄進をお願いをしましたところ、それは大変良いことだから協力しましょうとおっしゃっていただいたのですが、実は弊社は、この円高で甚大な影響を受けて来年の3月期は赤字転落の見込みです。数年かければ克服できると思うがその時であれば、ご協力しましょうとのお返事でした。

私はこの優良企業がこのような状況なら、日本の事態は本当に深刻だと思いました。

円高の影響、この深刻さに経済界は本当に悲鳴をあげているのに、大きな声となって何故湧き上がってこないのでしょうか?

青蓮院のご本尊は、天変地異を鎮め、国の安泰、皇室の安寧をお計りするお力をお持ちです。

青不動さまはそのご本尊の化身でありますので、青不動さまを通じご本尊を拝むことにもなり、この歴史始まって以来とも思える国難に、一心に護摩祈祷をして行きたいと思います。

私は朝夕のお勤めで、必死に祈りを奉げる毎日です。

青蓮院では来る10月23日 12時より、ご本尊「熾盛光如来」を祀る秋季大法要を厳修いたします。
法要にはピアノの横山幸雄氏の奉納演奏もあります。

当日は通常と同じくご参拝できますので、是非この国難を克服するためご参拝をお待ちしております。

慈晃拝。

カテゴリ: 門主のお話 | 2011年10月12日 | コメント(1) | No Trackbacks

9月護摩のお話

暑い中、遠近を問わずお参りいただきまして本当にありがとうございます。
9月の満月護摩です。

この暑さの中で火炎が天井近くに上り、私も火傷しそうな暑さに耐え、修行させていだたきます。

昨日9月11日は、新聞、テレビ等で多くの報道がありましたが、東日本大震災から6ヶ月。世界を震撼させた911
米中枢同時テロから10年を迎えました。

東日本大震災は、10日のNHKスペシャル「追いつめられた被災者」で報道されましたが、6ヶ月たって、瓦礫は大分かたづいたようですが、深刻な大きな問題を抱えたままです。

石巻の取材では、仮設住宅にも避難所にも入れない人が、全壊指定を受け壊れ掛かった自宅に戻って、電気、ガス、水道の無い暮らしを強いられている。

仮設住宅はへんぴな山手にあることが多く、自家用車を持っている人はいいが、持たない人は買い物や学校にもいけない。バスの運行は、行政や、バス会社の都合でいまだに目途がたっていない。空き家状態が続いている。

大船渡市では高台移転の大計画が、国の財政支援が決まらず宙に浮き、待ちきれない人がそれぞれ行動を起こしてしまう。

避難転居者8万3千人のうち、原発の避難地域の人が5万人。

南相馬では中小企業が地元からどんどん出て行ってしまう。本当にどうなるのかと工場の経営者。

戻るための放射能徐染も国がやるもの、市町村がやるもの、いづれも非常に遅れている。

独自に戻って家をガイガーカウンターを持って計測しながら徐染していた人が、自分1人では限界、今の状況では子供達を家に帰せないと絶望している。

5万人の人の絶望感。

やるべきこと、その方針、そして実行する予算を素早く出さなかった政治のあり方。
人智を越えた天変地異はやむを得ない。ただその後のことは何とかしなければ。
例えばバスが直ぐに走らないことを、うやむやにしないで、この不合理に甘んじない声をもっと率直に大きく。被災された人々も黙っていて欲しくない。おかしいことをうやむやにせず。
やらない政府と政治。甘んじる被災者。
でもどうしてこんなにオカシイままなのか。日本は。

911から10年、アメリカはテロ報復のため、アフガン、イラクで膨大な戦費を費やし国が疲弊。
6千人超の兵士が犠牲。総額1兆3千億ドル(約100兆円)を投じた。
東日本大震災の復興費が約30兆円とすると、その巨大さが分かる。

その結果が低迷する経済と膨大な財政赤字。国債の格下げ。未曾有のドルの暴落と円高。
まさにアメリカの尻拭いを強いられる日本。

そもそも911は何故起きたか。突然起きた分けで無く、積年のアラブ諸国の米国への恨みが背景。
アメリカが世界制覇の過程で犯した過ちの代償と思う。

この過ちは、アメリカが日本の侵略から自国を防衛するとして、原爆を投下してまで徹底的に日本を殺戮殲滅した対日戦の
過ちと共通すると思う。

ようやく立ち上がった日本を今度は円高の嵐で襲い、自国を防衛しようとしているのが今のアメリカであると思える。

アメリカの潜在的国力は日本とは比較にならないほど大きい。
無駄な戦争をやめ、国力を高める事に専念することを、日本の政財界のトップはアメリカに迫るべきと痛切に感じていますが、全く思うようには行かない現実。為替介入など小手先でしょう。

東日本大震災。911に始まったアメリカの疲弊。 共通したこの絶望感。

青蓮院のご本尊熾盛光如来は天変地異の鎮静、国の安泰、皇室の安寧をはかるお力があり、青不動さまは
そのご本尊の化身。

この云いようのない絶望感の中で、今日ほど一心にお不動さまに願い、祈らなければと感じたことはありません。

皆さんとご一緒にしっかりと祈りましょう。

カテゴリ: 門主のお話 | 2011年09月12日 | コメント(1) | No Trackbacks

8月護摩のお話

猛暑の中、お参りいただきましてありがとうございます。

明日は8月15日、終戦記念日です。この暑さでこの日のことを考えてしまいます。
8月4日は比叡山で世界の諸宗教の代表者が集まり恒例の平和の祈りと平和へのメッセージを唱えました。

最近ある方に薦められて、ヘレン・ミアーズの著作、『Mirror for Americans: Japan』 (アメリカの鏡・日本) を読みました。

彼女はマッカーサーの日本占領時のスタッフとして派遣され、46歳で戦後日本の労働基本法の策定に携わった人で、48歳の時に本書を著わしましたが、マッカーサーから日本での翻訳を禁止されました。

何故マッカーサーが発禁に? これはお読みになれば当然分かりますが、ここまで日本を公正に分析した人が女性の、しかもアメリカ人であることに驚かされました。

小さい字で書かれた400ページ。極めて多くの引用や、詳細な脚注、膨大な資料に基ずき事実を誇張もなく実数で確実に記し、大げさな言葉による誇張は一切なく、云わんとすることを強烈に伝えています。

私は読み進む内に、日本人の、特に戦争を知らない若い世代の必読の書であると思いました。
終戦の日、私は敗戦の日と呼んでいますが、明日にこの日を迎えて、何故日本は戦争に向かったのか、そして何故、根こそぎ徹底的に敗れたのか。日本の進んだ道は、何故、アメリカ人達、この達には、イギリスやフランスを含めた西洋人達の意も含まれているようですが、これらの人達の鏡が日本なのか。

彼女の透徹した日本人、日本そのものへの理解の深さを知り驚かされました。

日本が何故泥沼の戦争に入り込んでしまい、広島、長崎、そして占領による洗脳となったのか。

彼女は、全ては(アメリカの)ペリーの黒船による不平等開国から始まったと記しています。
日本を半植民地化する西洋強国の強大な圧力は、それは生麦事件、長州事件を通じて後の新政府の首脳に強烈に叩き込まれた。と記します。

日本の乏しい資源、その中で自給自足してきた江戸時代までの日本は、米を経済の中心に据えた、乏しい中で、「足るを知る社会」であった。足らないところを茶の湯、生け花、和歌 等の精神的なものに求めたと記しています。

肝に命じられた明治新政府は、西洋列強に植民地化されないために、富国強兵政策を強行。
しかし西洋列強に負けない軍備と国力は乏しい資源では無理。従って全てを輸入に頼るが、そのためには輸出に依存せざるを得なかった。しかしアメリカの関税は生糸を除き殆ど100%から、200%と極めて高率であった。日本の血の滲む努力。

そして日本の底力は、日清、日露戦争に勝ち、第一次世界大戦では勝ち組みに組した。
この辺の詳細な記述があります。

日露戦争のもたらした西洋列強へのインパクトは極めて大きく、日本は有色人種で初めて五大国に列せられた。1931年までの日本の成長はまさに西洋の先生から卒業証書をいただいた段階となった。
それは西洋列強の写し、つまり鏡であった。

しかし1931年の満州事変が大きなミステークであった。
それでもその後の10年は、事態を収束できた可能性があったが、不幸にも日本は判断を誤った。

その後の列強は、日本を徹底的に潰す方向に一致し、それはロシアのしたたかな動きをイギリスも牽制しないほど過酷なものとなった(ヤルタ会談)。原爆投下もその延長の1つ。

しかし彼女は、この書で原爆投下はアメリカの犯罪だと明言しています。
日本が終戦の3ヶ月前、既に飛ぶべきゼロ戦も、燃料も、パイロットも無く、主要な都市は焼け野原となり高射砲はB29の高度に達することができない状態の中で、何とアメリカは、B29を1000機保有していた。
原爆投下は戦争終結のために絶対に必要ではなかった。日本は既に壊滅状態だったのだと。それも原爆は無差別に市民を殺戮した。
アメリカ政府は、この戦争は自衛のための戦争だと、アメリカ市民には云っていたが、自衛とは相手を殲滅することなのかと。彼女は厳しく記しています。

皮肉にも、占領後、あまりの日本の疲弊は、俄かに問題となり始めた共産主義の脅威の前に日本を前哨基地にするという、新たな役割と思惑から方向転換をせまられた。

彼女が云うことを役だてるとすれば、ペリー襲来から始まった日本の富国強兵政策は、日本が真の独立を確保するための最低条件であったが、資源のない日本はそれを維持するために、西洋列強との利害を巧みに使い分け、日本単独では不可能なことを肝に銘じなければならない。

彼女が今、存命であれば、日本は戦後、独立し、高度成長を遂げ、世界に再び認められていても、依然として残る米軍基地、地位協定 米国製の原発の導入、日本国憲法 固有の北方領土さへ認められないというこの事態は、真の独立国家ではないと彼女は云うと私は思います。

そしてこの異常な円高も、アメリカの利害を座標軸においた、ペリーから始まるアメリカの世界戦略ではないかと、私は思います。

このまま円高が定着すれば、日本の産業は空洞化して、雇用は深刻な事態を招くでしょう。
日本の存亡にかかわる深刻な問題のはずです。

敗戦の日を前に、政治や経済の中枢にある方々は、日本の行く末について、もっと真剣に、もっと深読みして、対処していただきたい。 

日本はアメリカに対して、利害ある国と結託して、巧みに戦う必要があると思います。

戦後は遠くなっていない。
皆さんにも大いに関係のあることだと思い、あの敗戦の日に思いを致し、お護摩を勤めます。

カテゴリ: 門主のお話 | 2011年08月14日 | コメント(3) | No Trackbacks

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